霊にまつわる怖い話は無数にある。
私の知人にも霊感が強い、その手の怖い話を子供の頃から体験している叔母さんがいる。
霊感が強いと、時にうらやましがられることがあるけれど、本人はそんな優越感なんてない。
「見たく」も「聞きたく」もないという。
そんな霊感の強い彼女が語ってくれた怖い話、メディアの作り話でない、本当に実話になる。
「怖い話」かどうか、読んだ貴女ご自身で判断していただきたい。
霊感が強い人の「怖い話」にはこんな特徴もある!
ただ、彼女が言うには“自分的には「怖い話」ではない”と語っている。
なぜかというと、子供の頃から慣れっこになってしまったから。
実際、他の霊感の強い人もたまにテレビなどで体験談を語っているのを見ると、確かにそういう「含み」を持たせているようだ。
だからちょっと面白い発見になる。
もちろん体験者の語る実話の中には、確かに底知れなく怖い話もある。
けれど、彼女のように霊感が強い人で、あたかも日常的に体験している人の話というのは、はっきり言ってしまうと、「怖い」というより「ウザい」。
全部が全部そうではないにしろ、そんな特徴があるようだ。
テレビや雑誌などの「作り話」の方が怖く思わせようとする
変な話かも知れないけれど、心霊体験がらみの怖い話、テレビや雑誌などは「実話」などと肩書きをよく目にする。
けれど、心霊写真や動画なども“怪しげ”で、実は作り話が多い、と言うのも一方で常識化しかけている。
だから実話と銘打っていても、結構怪しげな様だ。
視聴率稼ぎや人気目当てだからしょうがない部分もあるかもしれない。
視聴者は結局それらに“騙されて”怖がる。
事実かどうかに関係なく怖さを強調して、視聴率や人気を取ろうとするわけだ。
でも、霊感の強い人に言わせれば、掛け値なし本当の実話の中には怖い話もあれば笑える話もある。
そしてありがたい話、ホッコリする話だってあるという。
怖い話だけが実話ではない。
そんなふうに主張する、霊感の強い彼女の話をちょっとご覧になっていただきたい。
【1】「安眠妨害ですよ」と霊に懇願?
霊感が強い彼女の特徴は、確かに霊も見えるそうだが、それ以上に耳、つまり聴覚が鋭いらしい。
結構そういう物音、声などをよく聞くそうだ。
夜寝ていると台所から包丁でまな板をトントンたたく音。
絶対に人のいないところで出るという。
寝ている耳元で畳を足でする音。
ふすまを開けるスーという音。
そして鍋か何かを台所の床に落とす音。
「ダン!」というもの凄い音がしたそうだ。
子供の頃はほとんど毎晩聞いていたという。
そして毎回恐怖のどん底だった。
けれど、大人になったら馴れてしまってうるさい気持ちの方が先に立ってきたそうだ。
そこである夜中、あまりのうるささにたまりかねて起き上がり、
「安眠妨害ですよ。夜中は静かにしてください。寝ている人もいるんだから」
と、暗闇に向かって霊に叫んだらしい。
そんなことを言って大丈夫なのか、心配になったが
「どうってことはない」
という。
【2】突如焼香の匂いがプーンと
話は前後するけれど、彼女は実家暮らしのアラフォーになる。
その実家で何年か前に石の祠(ほこら)を動かしたことがあったそうだ。
古い時代に建て増しした家を補修工事した結果、その家が建てられた当時に別なところに移されていた祠が、建てられる前のところに戻されたという。
元々はそこが鬼門で、本来正しく祠が建っていた位置だった。
けれど、霊感に疎い先祖が祠を邪魔扱いしてどけてしまっていたらしい。
そうしたら祠が元のところに戻った直後、突如として法事の焼香の匂いが漂ったというのだ。
「多分私の家の先祖が、祠を戻したことを喜んだんじゃないかな」と彼女。
怖い話というよりは「ホッコリする」話かも知れない。
その証拠というか、今まで朝起きる時にはたまらなく不安な気持ちが毎回していたというのに、その日からぱったりなくなった。
むしろすごく安心感に包まれるようになったそうだ。
【3】古い墓を探しあぐねていたら“顔”が見えた?
これもちょっと数年前の話。
霊感の強い彼女が、母親方の先祖の古い墓を探しにある山野を巡って探していたことがあったという。
古い墓で、今では誰もお参りに来ないようになって、終いには場所もわからないほどに放置していたそうだ。
ところがふとした出来事がきっかけで、母方の人たちと一緒にその墓を探して見ることとなったらしい。
そして墓のあるはずの山野の中に立ち並ぶ古い墓の中をあちこち行ったり戻ったりたところ、どうしてもみつからない。
2,3時間くらい探してみたらしいが、とうとう諦めて家に戻ろうとした矢先、ある墓の前に人の顔がフッと見えたという。
気になってその墓の土台をきれいに片付けてみてみたら、「×○家」という文字が見えた。
まさしく彼女の母方の名字で、それが探していた墓だったそうだ。
【4】夜歩いていると“黒い人影”が
都心に住んでいたころ、彼女は一人暮らしだった。
私たちと同じ、アラサー30代前半の頃のことだ。
その彼女が夜、帰宅しようとちょっと路地に入ると黒い人影がフッと見えたという。
初めは目の錯覚かと思ったが、頻繁に見るようになるし、後で都心から実家に戻るとそんな体験はしたことがなくなった。
ということは、錯覚などではないということになる。
「その筋の人」に彼女が聞いたところでは、黒い人影というのはあまり良いものではないそうだ。
【5】夜中に首を絞められる
これが彼女の語る中で一番怖い話かも知れない。
夜、眠りについているといきなり誰かに首を絞められた体験があるという。
やっぱり都心で一人暮らしだった時のことだ。
寝ている彼女の胸をたたいたり、脇をくすぐったりされるような体験までしたという。
その他にも眠りにつこうとすると耳元でささやき声がしたり、大声で怒鳴られたという。
さらには夜中だというのに小さい子供が廊下を走り回る音が毎晩のようにした。
同じく都心の賃貸に住んでいた頃の話だ。
聞く人にとってはやっぱり「怖い話」だった?
そういうわけで、霊感の強い、ある女性の話。
その一部だけれどご紹介してみた。
テレビや雑誌の中で見たことがある様な部分もあるし、それ以外の内容もある。
あくまでも証明は出来ないが、霊感が強いと評判の彼女の話なだけに信憑性は強いに違いない。
ただ、本当の実話というのは、体験した当人は慣れっこになっていても、それを聞かされる私たちにとっては、直に聞いてみればやっぱり相当に怖い話になるのではないだろうか?
ところが彼女がよく語るのは、
「霊感が強いとかって諸刃の剣みたいなもの。例えば罰当たりなこととか、不道徳なことをしてしまうと大変なことになる」
そうだ。
つまり普通の人たちよりも、霊の世界と通じている分、いわゆる“天罰”も相当キツいらしい。
なんでも「よこしまなことを思うこともダメ」とか。
彼女にとっては、それこそが「怖い話」にちがいない。
高橋国大(くにひろ)