宜保愛子さんという霊能者が今また再燃しているようだ。
実際、一世代ほど前、彼女の霊感が本物かどうか、霊の存在も含めて大変な議論を呼んでいた事がある。
私がまだ小学校の時代だ。
そして宜保愛子さんは71歳で2003年に胃がんで亡くなっている。
だが、彼女の死後、その能力が本物かどうか、そして宜保愛子さん自身が霊能者と言うより人間として本物かどうなのか?
今そんなに熱い議論になっている。
それほど彼女がすごかった証拠でもあるけれど、果たしてどうなのか?
中には嘘つきで希代の詐欺のように見ようとする声もある。
でも、彼女果たしかにすばらしい女性だった。
私はそう信じている。
その根拠、私なりの見解を少しお伝えしてみたい。
宜保愛子がいなかったらいまのスピリチュアルの普及はない?
彼女の能力が果たして本物かどうか?
その前に、ぜひお伝えしたしたい事がある。
それは、もしも宜保愛子さんがああしてテレビに出まくり、多くの本を著して霊の世界を細かく伝えてくれなかったら、今のようなスピリチュアルの普及はなかった。
また、普及があったにせよ、絶対に何年も遅れてしまったはずだ。
本物かどうかという議論は彼女が生前の当時、確かに大きかった。
けれど真っ向から否定する人は大槻義彦教授のような例外を除けばそれほど強くなかったし、そのこと自体も含めて絶対に宜保愛子さんの功績と言って良い。
なお、私は実はスピリチュアルとか心霊の事は信じている方だ。
もちろん霊能者とかいうと、偽物が跋扈しているし、本物かどうかみ分ける事は素人には難しい。
下手に信じてしまうと変な詐欺に引っかかってしまう恐れだってある。
だから宜保愛子さんが本物かどうか、それ自体は非常にデリケートな問題だ。
でもいずれにせよ、彼女によって欧米に著しく遅れていたスピリチュアル、心霊の知識が彼女によって良い意味で広まった。
本物かどうかと言う議論の以前に、これは絶対に覆せないと信じている。
演技ではなく素人の立ち振る舞い、涙を見せていた
その上で、宜保愛子さんの霊能力が本物かどうなのかは、ちょっと彼女の出演していた番組などでの立ち振る舞いを考えれば何かのヒントにはなるだろう。
もちろん宜保愛子さんも他の「霊能力者」と言われる人と同じく、早くから心霊体験をしていた事実がある。
けれども私はここで、彼女が本物かどうかを判定するための一つの基準のようなものをお伝えしてみたい。
それは、彼女が度々出演していた当時の特番、私も子供心に「すごい」と思いながら見ていたけれど、心霊スポットとかで幽霊と彼女が接するとき、どう見てもやらせとは思えないほどの真に迫ったアクションがある。
要するに、役者ではなく素人の驚きとか表情そのままなのだ。
そして時には心底亡くなった霊を哀れんで涙を流す。
今はスピリチュアル分野で中心となっている江原啓之氏も、ああいうことは出来ないし、第一見た事がない。
だから極端な話、そういう行動が取れない江原氏の方が私とか、素人の目からは怪しげに移ってしまうのだけれどいかがなものだろうか?
もう一つの根拠−確かに宜保愛子は本物だと断言する知人がいた!
ただ、確かに宜保愛子さんはいささかテレビに露出しすぎたり、素人としてはメディアで活躍しすぎたのかも知れない。
けれども、彼女が心底優れた霊能力があるか、つまり本物かどうかと疑う場合、私自身は宜保愛子さんを本物とみるしかない。
本物かと言われれば、逆に問いたい。
それは、
「もしも彼女がインチキの偽物だとしたら、ああまで大手を振って無数の番組に出たり本を出したりするだろうか?」
ということだ。
そして私の知人にも霊感のある男がいたりするけれど、宜保愛子さんは確かに「そういう力のある人」、つまり本物かと言われればその通り、と主張していた。
お金を求めず、霊魂への心のあり方だけを説いていた
確かに新興宗教を開いている人たちの中には膨大な著書を出版し、信者の方たちに交わせるような事もしているみたいだけれど、宜保愛子さんはそんな事は全然していない。
のみならず、生前テレビで語っていたけれど、
「私は弟子なんか持った事ない」
と主張した事があった。
彼女の弟子だと名乗った人がいたという情報について全否定した際の事だ。
そして同時に、先祖の供養とか心霊写真への考え方など、心の持ちようを懇々と説いて、それでいながら何らお金を求めているような事はしなかった。
つまり良く言う霊感商法とは真っ向から逆なのだ。
確かにテレビに出るときにはブランドファッションに身を包み、英語が堪能で(元英語講師だった)、晩年にはテレビ番組の中で世界中を股にかけて活躍していたような女性だった。
それでも彼女の力説するのは、
「霊というのは怖い存在ではなく、むしろ味方をしてくれる方が多い」
「先祖や亡くなった方を哀れみ、供養の気持ちを忘れずに」
「大切なのは、亡くなった方たちへの心の向け方」
と、いわば私たちが忘れかけていた亡き人達への気持ちのあり方を説いていた。
これ自体、お金とは全然無縁と言って良い。
要するに、お金儲けとかでインチキをする動機がまるでなかった。
そう言い切って良いのではないだろうか?
私が江原さんよりも宜保さんが好きな理由
宜保愛子さんがこうして亡き後も本物かどうかで議論白熱するのは、やっぱり私たちにとっては「心の温かいお母さん」というイメージが強く残っているためでもあるだろう。
今では江原啓之さんのような、さらに能力の強そうな人が出てきて、宜保愛子さんの時代よりもさらに細かく、詳しく心霊の世界とかスピリチュアルの情報が広まっている。
そして同時に、霊魂とか霊感の存在を真っ向から否定する声も薄らいできているようだ。
確かにインチキ、嘘つきな人たちもそれだけ多かったりするけれど、本物かどうかはどうしてもついて回るのがこの世界と言えるだろう。
けれどもそういう心霊知識の普及も元をたどれば宜保愛子さんの存在を抜きでは語れないはずではないだろうか?
やっぱりすごい女性だったと言えるに違いない。
最後になるけれど、個人的な感想として、江原啓之さんよりも宜保愛子さんの方が好きだ。
江原さんはすごく舌鋒が鋭く、正しい事は言っているに違いなくても心情的に受け入れがたい時も多いからだ。
その点、本当に相談者に寄り添うようにして語りかけてくれる宜保愛子さんは、今でも“優しいお母さん”でいてくれる。
私の中ではそんな彼女なのだが、貴女はいかがだろうか?
高橋国大(くにひろ)